楔形文字キーボードの補足説明
楔形文字キーボードを使用するにあたり気になると思われる点をいくつか説明します。私も詳しいわけではないので最低限の説明とさせて頂きます。
「ヤ行」の入力
ヤ = ia = 𒅀
ユ(ヨ) = "i"の文字+"u"の文字 = 𒄿𒌋
で入力してください。
「O」の母音
アッカド語はa,e,i,uの4つの母音のみです。ですので"o"の母音はありません。
シュメール語はoの音の有無や母音の数について諸説あるようなので難しいのですが、基本的にはアッカド語と同じくa,e,i,uの4つの母音のみで"o"の母音は使用しないようです。
ですので日本語を楔形文字で表現するなどの用途で"o"の音を表したい場合は"u"で代用をしているようです。
ギルガメシュの「シュ」
š(シン)という子音があり、"sh"の発音になります。
ですので、ギルガメシュはgilgamešと綴られます。
同音異字
シュメール語、アッカド語の同音異字は下付き数字で表されます。
また2と3の番号の代わりにフランス語のアクサン記号が記述されている場合もあります。
du = 𒁺
du₂ = dú = 𒌅
du₃ = dù = 𒆕
du₁₀ = 𒄭
楔形文字キーボードの「123」ボタンはこの下付き数字を入力するためのものです。アクサン記号の記述には対応していません。
時代、地域等による文字の違い
同じ文字でも時代、地域によって形が変わってしまうようです。また、古バビロニアでは碑文に刻まれる文字と粘土板に記述する文字で使い分けていたようです。下記に「剣」を表す文字の時代による変化をまとめてみました。

楔形文字ユニコードは時代や地域別に文字が区別されてはいません。ですので、もし別の時代や別の字体の文字を表示したい場合は別途にフォントを用意する必要があると思います。